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(2024年10月15日更新)

カナダでワーホリ経験後、デザイナーとして海外で活躍中の高橋麻衣さんにインタビュー

2023.08.28

留学くらべーる編集部

カナダでワーホリ後、デザイナーとして海外で活躍中の高橋麻衣さんにインタビュー!
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ワーキングホリデー(ワーホリ)をきっかけに、海外でビジネスチャンスを掴んでそのまま現地で活躍する女性がいます。
2014年にカナダでのワーキングホリデーをスタートし、現在もカナダでUI/UXデザイナーとして活動中の高橋クロエ麻衣(たかはしくろえまい)さんもそのうちのひとり。

WebサイトやアプリのUIデザイナーとしてキャリアを積み、カナダ国内の企業に限らず、日本やアメリカの企業からさまざまな案件を引き受けています。

海外で活躍している高橋さんに、フリーランスで働くまでに至った経緯やカナダでの活動内容についてインタビューをさせていただきました。

なにか成し遂げたいことや、海外で働きたいという夢を持っている女性は、ぜひ読んでみてください。

デザイナーとしてステップアップするためにカナダのワーキングホリデーを決意

もともと、海外への興味は強かったんでしょうか?

私の父方の家系はお百姓一家、母方は日系銀行の一家だったので、「海外」という文字には一文字も触れない家庭で生まれ育ちました。
ただ、好奇心旺盛な私は小学生の頃父親にパソコンを持たされたことをきっかけに、インターネットを使って海外のいろんな情報に触れていました。高校1年の春休みに参加したオーストラリア研修では、広大な海と自然に触れ、肌の色や言語の違う人達と出会い、「将来はこういうオープンな環境で生活しているだろう」と妙に納得していました。

海外でキャリアを積みたいと考えるようになったのはいつ頃からですか?

大学生時代は、留学生の生活をサポートするサークルに入り英会話を勉強する傍ら、アジアや北米で活躍している日本人にたくさん出会いました。
その中で特に、エンジニアやデザイナーのスキルを持つ人たちとの出会いが印象に残ったんです。世界中で使われるサービスの運営に関わる人とたちの出会いが、「海外でキャリアを積むこと」を目指すのではなく、「世界中の人が使うサービスを作る」といった、より明確な目標を私に持たせてくれました。

同時に、世界でそれなりに活躍するには語学力は当然のこと、現地の人さえも突き抜ける何か特別なものが必要だと気付きました。それから一流のIT技術者が集うシリコンバレーに訪問し、技術者への興味は一層強くなりました。
私にとって大学の在学期間は、それまで海外に出る手段のわからなかった私が、留学・海外インターン・海外就職などのさまざまな道筋があることを初めて知った時期でした。

海外進出を決意してから、その夢を実現するためにどのような努力をされましたか?

IT技術と英語は独学で学ぶと決めて、まずは日本のIT業界で働く経験が欲しいと思い、日本の国内大手の広告代理店に就職しました。
運の良いことにその会社では、本当に良い経験を与えてくれました。海外の新しい技術やビジネスアイデアをどんどん取り入れ、国内外の事業をどんどん開発し、手をあげる若手社員にはいくらでもチャンスをくれました。
変わり者だった私にたくさんの活躍の場をくれ、ある意味で全く日本らしくない会社でした。その会社で日本のインターネット業界の知識と経験を得られるよう日々励みました。

会社を辞めてワーキングホリデーをしようと決意したきっかけと、カナダを選んだ理由を教えてください。

広告代理店で働いていた頃、次第に進む方向はわかってきたものの、それを実現するにはもうワンステップが必要で、どうしても今の自分ではそれは手に入らないと気付きました。
具体的には、例えば世界中で使われるサービスを作りたいのであれば、作り手の自分がその市場を知らないのでは意味が無いのではないかと思い始めたんです。

そこで、海外で就労ビザの心配をせずに仕事ができる環境はないかと探したところ、カナダにはIT業界の機会が揃っていること、そしてワーキングホリデー制度があることを知りました。バンクーバーかトロントで迷いましたが、寒いところは嫌なのと、私は横浜生まれで海が大好きなので、西海岸を選びました。

西海岸

ワーキングホリデー中は、語学学校に一度も通わずとにかく仕事に専念!

カナダでのワーホリを始めてから、語学学校には行きましたか?

英語は独学で学んでいたのと、仕事中心の生活をしたかったので、語学学校には行ってないんです。
カナダに移住して2ヶ月後に、アメリカのシリコンバレーで開催された「MakeSchool」という2ヶ月間のプログラミングブートキャンプに参加したこともあって、ワーキングホリデー中はとにかく仕事中心の生活を送っていました。

カナダでワーホリしてすぐ、アメリカに行かれたんですね...!

そうなんです。
シリコンバレーにいるエンジニアの友達から誘われて参加したのですが、プログラミングスキルが上がり、デザイナーとしての仕事の幅が広がりました。テクノロジーの分野でトップクラスの技術者と出会うことで、自分の立ち位置を確認することもできました。

ブートキャンプが終わってカナダに戻ってから、どのような仕事をされていたんですか?

プログラミングブートキャンプをきっかけに、アメリカ企業の日本支社立ち上げに誘われたり、カナダのデザイン受託会社等からオファーをもらえたりしたので、最初のうちはコワーキングスペースを利用していろいろな仕事をしていました。
突然のシリコンバレーのチャンスに飛び込むことが出来たのも、アメリカの仕事を受けることが出来るのも、ワーホリを使ってバンクーバーを拠点にしたからこそ成し得たことでした。

では、ずっとフリーランスのデザイナーとして活動されてるんですね。

はい。今のところ、まだ会社に所属せずフリーランスという形を選んでいます。

フリーランスデザイナーになったのは偶然の産物で、たまたまアメリカの知り合いから「デザイン出来ない?」と依頼され引き受けるようになってから始まりました。ビザ問題に悩まされてきた身としては、カナダにいながら日本やアメリカの仕事が出来るのはひょっとすると凄いことかもしれない!と気付き、それ以来会社に所属することなく、自分が面白いと思う仕事を引き受けるようになったんです。
クライアントに会いに日本やアメリカに出張する時もあります。国を跨ぐパラレルキャリアのような感覚に近いです。

海外でフリーランスのデザイナーとして働くのは大変ではないでしょうか?

フリーランスは、仕事の受注から納品まで全ての決断を自分で行うので、少しの勇気と起業家マインドも必要です。
お気楽なカナダ人に明日から突然仕事がなくなった!と言われたり、期待されたアウトプットが出来ず日本のクライアントに謝りに行ったこともあります。失敗を経験した分だけ上手くいくようにもなりました。

人脈づくりや仕事を得るためにどのようなことをしていますか?

運良く、カナダに住み始めてから仕事探しや就職活動はほとんどやっていなくて。ただ、SNSやFacebookでは積極的に情報発信をしてアピールしていました。
北米の仕事が良く入るようになったのは、北米の人が見るようなオンラインポートフォリオ「Dribbble」に自分のデザインを上げたり、現地のミートアップに参加するようになってからです。オンライン、オフラインの両方でアピールすることが大事です。
あと心がけているのは、どうせやるなら今までやったことのない仕事を、これから自分のためになる仕事を選ぶようにしています。

まいさん

ワーキングホリデー後は、Co-opビザを取得しカナダの滞在期間を延長

ワーキングホリデービザが切れたあとも、日本へ帰国するという道を選ばずカナダでの滞在期間を延長したんですね。

はい。
1年間のワーキングホリデービザが切れてしまった時点で、現地のIT専門学校に入り直しました。
滞在期間を延ばした理由は、フリーランスとしての仕事も上手く行き始め、カナダの生活が好きになったからです。

IT専門学校にはどれくらいの期間通われていたんですか?

専門学校に通っていたのは1年間です。
カナダには、Co-opビザという特別な専門学校に通った後に一定期間の就労を許可されるプログラム制度があるのですが、そのCo-opビザを使いました。
私は先にワーキングホリデービザを使ったんですが、先にCo-opビザを使って学校に通って、その後ワーホリビザをとって滞在期間を延ばすという方法もおすすめです。このパターンで滞在する人は結構多いみたいです。

高橋さんから見て、日本とカナダでは働き方は異なりますか?また、現地の人と接していて、どのような時に文化や考え方の違いを感じますか?

一緒に働く人たちは仕事中の集中力が高く、18時には帰宅。オフをしっかりと取り、コミュニケーションがダイレクトなので私にとっては働きやすいです。
職場で見られる文化の違いは想定できる範囲ですね。

恐らく、デザイナーとして一番苦労する瞬間は顧客理解ではないでしょうか。私はUI/UXデザイナーという職種で仕事をしているのですが、UX(ユーザーエクスペリエンス)に関しては日本とカナダの仕事は天と地の差で違いました。(汗)
例えば、今北米の配送業向けオン・デマンドサービスを作っていて、具体的には配送会社とドライバーとクライアントの三者間のコミュニケーションを円滑にするプロダクトをデザインしています。広大な土地を横断する際にドライバーや配送業者が抱える不満や課題を日々調査しています。でもこれって、土地が狭く配送会社数の限られた日本では、そもそも問題化されることのなかった課題ですよね。
着手したての時はユーザの気持ちを理解するのにとても苦労をしました。カナダに住んで2年経過した今の自分だからこそやっと理解できる体験であり、発見できたビジネスチャンスでした。言い換えると、日本にいながら日本に住んでいないユーザ向けにサービスを作るのは非常に難しいということです。

これって、言い換えればファッションデザイナーやパティシエも同じですよね。服を着てくれる人、料理を食べてくれる人…お客さんとなってくれる人たちの本当の気持ちは、作り手自身がその環境に身を置かないとわからないと思うんです。

日本で働かれたときに感じていた疑問を、カナダで実感したんですね。

そうですね。

他にも、よく直面する面白い課題として、言語のUXというものがあります。
移民の多いカナダには、日本ほど識字率が高くなく、教育制度も充実していないような地域出身の人たちも多く移住しています。そういった人たちにも使ってもらう製品やサービスを作る時に最も重要なのは、言葉のシンプルさです。多くのユーザーを抱えるサービスを作るということは、それだけ多くの文化を教授し、それだけ多くの課題に向き合うことを意味します。

自分のいる場所ではなく、使う人がいる場所を考えるのです。これも、実際に日本に住んでいるだけでは気付かないことのひとつだと思います。そして最も不思議なことは、日本の広告代理店に営業として勤めていた時に、メンターからひたすら叩きこまれた顧客への理解力や仕事のやり方が、今の自分に強力な手助けになっていたということです。

仕事仲間

英語学習のコツと、海外進出についてのアドバイス

ワーホリ期間中は語学学校に通われてないとのことですが、渡航前の英語力はどれくらいありましたか?

渡航前にTOEICなどは受けていなかったので、具体的にこれくらいと示せるものはないんですが、英語で仕事ができる状態まで勉強はしてました。日常会話も難なくできるくらいですね。

すべて独学で勉強されたんでしょうか?

はい。
大学生時代は海外留学生をサポートするサークルに所属していたので、英語を使う機会が多かったというのもよかったかもしれません。日本で働いていた頃は、なるべく英語を使う事業をやらせてもらったり、テクノロジー系の記事をひたすら英語で読んでました。
英語はゼロから勉強すると大変なので、まずは自分の職種で使う英語を最低限理解していればいいかなと思って、近道して勉強してました。

独学を続けるコツなどはありますか?

英語の勉強は持久力が勝負なので、嫌になったらいけないというか...。
自分が興味を持てる好きな単語の勉強から入って、なるべく長く続けられる勉強法を見つけるのがポイントです。細く長く、嫌にならない程度にやっていれば、続けられると思います。

今の日本人は、草食化していて内向き志向だとも言われています。そんな内向き志向の風潮に、何か感じることはありますか?

そうですね...みんなが日本から出た方がいいとは全然思ってなくて。行きたい人が行けばいいなと思ってます。

ただ、内向き志向の人が多いのであれば、ちょっともったいない気もしますね。
日本ってアジアの中でも経済的に落ちている国なので、自分の孫の代になると、日本でしか仕事ができない状態というのは正直キツいんじゃないでしょうか。「海外に出る。」というよりも、「世界中とビジネスが出来るようになっておく。」と捉えるのは大いにメリットがありそうです。
グローバルビジネスのメリットに気付いて海外進出しているアジア人もたくさんいるので、今後の日本もグローバル人材と国内人材に二極化するんじゃないでしょうか。

最後に、海外でキャリアを積みたいと思っている日本人女性にアドバイスをください!

女性は夢があればあるほど魅力的になると思っています!私はまだやりたいことが2つも3つもあります。(笑)大胆でちょっとくらいワガママな方がモテるという話は良く聞きますよね!(笑)

ファッションデザインを学びたいのであればミラノ、パティシエになりたいならパリに行くという選択肢もありますよね。きっと今この記事を読んでいるということは、何かしらの夢や目標があるのではないでしょうか。

情熱を見つけたら、その情熱の向かう先へ進んでみて下さい。

その場所にはその分野でトップの地域になるだけの理由、仕事の機会とコネクション、そして情熱が転がっています。
また、日本人であれば日本の会社で一度経験することはいいことばかりです。日本の良さを上手に生かせるのは日本人としてとても素敵なことですよね。海外に出ればひとつひとつ、全ての瞬間が自分の決断で決まっていくことになります。とても勇気がいることだけど、勇気を出さないと何も始まらないですよね。

情熱を持っているなら、迷わず前を向いて進むべし!

高橋さんは、カナダのCo-opビザが切れたあとはアメリカへの移住が決まっています。デザイナーとしてだけではなく、自分でサービスを立ち上げることにも興味を持っているそう。
学生時代から抱いていた目標を叶えるため、常に前を向いて困難なことにチャレンジし続け、着実にステップアップしていった高橋さん。
インタビューをさせていただいた編集者(アラサー女)も、話を聞いて、とても刺激を受けました。

海外には、日本よりもたくさんのチャンスが広がっています。なにか大好きなことがあって、その情熱を深めることができる場所が日本の外にあるなら、迷わず海外へ目を向けてみましょう。自分を見失わずにチャレンジし続けていれば、きっと道は広がっていくはずです。そんな勇気を持てる、素敵なお話を聞けました。

高橋さん、ありがとうございました!

高橋クロエ麻衣さんのInstagram
高橋クロエ麻衣さんの公式サイト

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