オーストリアのワーキングホリデー費用はいくら?
2023.09.15
留学くらべーる編集部
目次
労働環境がよく給与水準の高いオーストリアは、ワーホリの渡航先として人気を集めています。
物価の高いフランスやイギリスを避けて、オーストリアで生活費を抑えつつワーホリを楽しみたいと考えている方も多くいるでしょう。
そこでこちらでは、「オーストリアワーホリにはいくら資金が必要なの?」と疑問に思っている方に向けて、用意しておきたい初期費用や1年間の費用目安などをまとめました!
語学学校の学費やアルバイトで得られる収入についてもお伝えするので、ぜひ資金を準備する際の参考にしてください。
オーストリアワーキングホリデーの初期費用
- 出発前の費用
- 約65万円
オーストリアでワーキングホリデーをするために必要な費用は、約65万円です。
費用は現地での過ごし方や渡航時期によっても変わってきますが、
-
出発前に必要な費用:約29万円
(パスポート申請料・ビザ申請料・渡航費・海外保険料など) -
渡航後3ヶ月分の生活費:約36万円
(食費・滞在費・おこづかいなど)
の計65万円ほどの準備があれば、渡航後3ヶ月は仕事がない状態でも生活できるでしょう。
ただし、オーストリアの場合はビザ申請時に必要となる残高証明書の金額がはっきりと提示されていません。
ビザの申請が通るか不安…という方は、余裕をもって100万円ほど用意しておくと安心でしょう。
また、渡航後すぐに仕事が見つからなかったり、語学学校に通ったりする場合は、さらに準備が必要です!
現地で焦らなくても済むように、予算は多めに考えておくことをおすすめします。
出発前に必要な費用(約29万円)の内訳
項目 | 費用の目安 |
---|---|
パスポート申請料 | 約1.6万円 |
ビザ申請料 | 無料 |
渡航費(片道) | 約7万円 |
海外保険料 | 約20万円 |
パスポート申請料
年齢 | 有効期限 | 手数料 |
---|---|---|
12歳以上 | 5年間 | 11,000円 |
20歳以上 | 10年間 | 16,000円 |
パスポートは有効期限や作成時の年齢によって費用が変わります。
10年間有効なパスポートのほうが割安なので、20歳以上であればそちらを作成するのもおすすめです。
オーストリアワーホリのビザ申請には、以下の条件を満たしたパスポートが必要です。
- 過去10年以内に発行されていること
- 未使用ページが最低でも2ページ以上あること
- ビザの有効期間より3ヶ月以上の残存期間があること
上記の条件を満たしたパスポートをお持ちでない方は、ビザ申請の直前に焦らないよう早めに発行または更新手続きをしておきましょう。
参照:外務省
ビザ申請料
オーストリアのワーキングホリデーは、ビザ申請料がかかりません。
申請用紙や資金証明書を用意し、東京のオーストリア大使館で書類を提出してください。
申請期間は、ビザの有効期間の3ヶ月前から遅くとも3週間前までとなっています。
揃えるのに時間がかかる書類は特にありませんが、余裕を持って準備を進めるようにしましょう。
参照:オーストリア大使館
オーストリアへの渡航費(片道)
- 片道の渡航費
- 約5~9万円
オーストリアへの渡航費は片道5~9万円が相場ですが、渡航先の都市や日本での出発地、出発するシーズンによって費用は大きく変わります。
オーストリア行きの航空券が最も安くなるのは2月頃なので、出発日を調整できる方はこのオフシーズンに渡航するとよいでしょう。
また復路の航空券を購入せずにオーストリアへ入国する方は、「航空券を調達できる充分な資金の証明書」が必要となるため、ビザ申請の際に忘れず提出してください。
「帰国日は決まっていないけど、あらかじめ復路の航空券を購入しておきたい」という方は、後から日付を確定できるオープンチケットを利用するのがおすすめですよ。
海外保険料
海外保険料の目安は、1年間で15~25万円です。
オーストリアでワーホリをするには、滞在期間すべてをカバーする保険への加入が必須です。
最低補償金額が30,000ユーロ(約355万円)以上かつ旅行や疾病、事故保険などを一通りカバーできる保険を選ぶようにしてください。
治安や衛生環境のよいオーストリアでは、「わざわざ海外保険に加入する必要はないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、急に体調が悪くなったりトラブルに巻き込まれたりする可能性もあります。
万が一に備えて自分に合った保険へ加入するようにしましょう。
渡航後3ヶ月分の生活費(約36万円)の内訳
項目 | 費用の目安 |
---|---|
滞在費 | 約18万円(月6万円×3ヶ月) |
食費 | 約10.5万円(月3.5万円×3ヶ月) |
おこづかい (交通費・交際費など) |
約7.5万円(月2.5万円×3ヶ月) |
渡航後3ヶ月の生活費の目安は約36万円です。
オーストリアはワーキングホリデービザの申請条件として「一定期間、自力で生活できる充分な資金の証明」を挙げています。
具体的な金額については明記されていませんが、最低でも3ヶ月から半年分の資金を用意しておくようにしましょう。
また人によっては語学学校に通ったり旅行を楽しんだりと、ワーホリ中に必要な費用はそれぞれのライフスタイルによって異なります。
渡航前に「現地でどんな生活を送りたいか」をイメージし、理想のワーホリライフを叶えられる資金を準備することが大切ですよ!
語学学校に通う場合は1ヶ月あたりプラス4~12万円が必要
語学学校に通う場合、1ヶ月(4週間)で4~12万円の授業料が必要です。
オーストリアの公用語はドイツ語で、学校や職場では英語よりドイツ語を使う機会が多くなります。
ショッピングや食事など、普段の生活は英語だけでも困ることはないですが、条件のよい仕事を得るためにはドイツ語が必須だと言えるでしょう。
スムーズに仕事探しを進めるには、まずは語学学校でドイツ語の勉強をするのがよいですよ!
オーストリアワーキングホリデーで必要な費用の目安(1年間)
- 1年の費用
- 約180万円
ワーキングホリデーの場合、現地での過ごし方によって費用が大きく変わってきます。
観光メインであればそれだけ出費も増えますし、現地ですぐに働くのであれば貯金にほとんど手をつけずに帰国することもできるでしょう。
ほかのヨーロッパ諸国と比べてオーストリアは給与水準が高いので、働き方次第では日本と同じか、それ以上の金額を稼ぐことができます。
給与や職種、勤務時間などさまざまな条件を考慮しながら、ぜひ自分に合った仕事を探してみてくださいね!
ワーホリ中に必要となる費用の内訳
項目 | 費用の目安 |
---|---|
出発前に必要な費用 (渡航費・諸手続き・海外保険料) |
約29万円 |
滞在費 (12ヶ月分) |
約72万円 (月6万円×12ヶ月) |
食費 (12ヶ月分) |
約42万円 (月3.5万円×12ヶ月) |
おこづかい (12ヶ月分) |
約30万円 (月2.5万円×12ヶ月) |
航空券(片道) | 約7万円 |
合計の支出 | 29+72+42+30+7 =180万円 |
アルバイト代 (8ヶ月分) |
約151万円 ※時給1,180円/月160時間勤務の場合 |
最終的な合計 | (29+72+42+30+7)-151 =29万円 |
オーストリアでワーキングホリデーをした場合、1年間の出費目安は約180万円です。
ただしこの金額には語学学校の学費が含まれていないので、語学学校に通う場合はさらに出費が増えることになります。
賃金の高いオーストリアでは月に20万円近く稼ぐことも難しくありませんが、人によっては「仕事はほどほどで、それよりも私生活を重視したい」という方もいるでしょう。
より充実したワーホリ生活を送るためには、「仕事と遊びのバランスをどのくらいにしたいのか」を意識しながら、希望に合った仕事を選ぶことが大切ですよ!
オーストリアでの滞在費
- 1年間の滞在費
- 約48~96万円
オーストリアワーキングホリデーの滞在費は、1ヶ月あたり約4~8万円、1年間で48~96万円が目安です。
オーストリアは家賃が高く、首都ウィーンでアパートを借りる場合は月に10万円ほどの支払いが発生します。
不動産屋を使って家を探すのであれば、手数料の支払いでさらに出費は増えるでしょう。
一方、シェアハウスであれば、家賃はアパートの半額ほどの3~5万円に抑えることも可能です。
またシェアハウスによっては家主が家の管理をしてくれるので、セキュリティがしっかりとした環境で安心した生活を送れます。
ただし、なかには門限が厳しかったり、友人を家に招くことが禁止されていたりするシェアハウスもあるので、契約内容は丁寧に確認するようにしてくださいね!
オーストリアでの食費
- 1年間の食費
- 約36~48万円
オーストリアの食費は、1ヶ月あたり3~4万円、1年間で36~48万円が目安です。
スーパーではパンやパスタが低価格で販売され、市場には新鮮な野菜がたくさん並んでいるので、この2つを活用すれば1ヶ月3万円以下でも充実した食生活を送れるでしょう。
一方で外食費は日本よりも高く、レストランでメイン料理とドリンクを注文すれば3,000円近くかかってしまうことも。
またオーストリアにはお洒落なカフェがたくさんありますが、料金はコーヒーが1杯500~600円と日本より少し高めです。
おこづかい(交際費・交通費など)
オーストリアのワーキングホリデー中にかかる費用としてそのほかに挙げられるのが、交際費や交通費などです。
これらは滞在先から語学学校・職場までの距離や現地で何をするかなどによっても変わってきますが、1ヶ月で2~4万円、1年間で24~48万円くらいが目安です。
オーストリアの交通システムは日本と違い、バス・トラム・地下鉄の3つの乗り物を1枚のチケットで乗り継ぎできます。
1ヶ月の定期パスを購入すれば約6,000円でさまざまな乗り物に乗れるので、頻繁に公共交通機関を利用する方は購入を検討するのもよいでしょう。
またウィーン市内では乗り降り自由のダブルデッカーバスが周回しています。
美術館や博物館など観光地巡りにもぴったりなので、ぜひ利用してみてくださいね!
オーストリアワーホリでの収入の目安
出費だけ見ると今から貯金するのは難しそう…と思うかもしれませんが、ワーキングホリデーは現地での就労が認められているのが特徴です。
こちらではオーストリアのワーホリでどのくらいの収入が見込めるのかまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
オーストリアの最低賃金
1ヶ月あたり1,500ユーロ(17万円) |
オーストリアでは法的な最低賃金が定められていませんが、労働協約により最低でも1ヶ月あたり1,500ユーロ(17万円)以上支払うことが義務付けられています。
オーストリアは世界でもトップクラスで給与水準の高い国ですが、労働時間が短く従業員はあまり残業しないのが特徴です。
接客業などの特別なスキルがいらない職種は給与が低めですが、それでも月に18万円ほど稼ぐことができます。
特に首都ウィーンは給与の高い仕事が多いので、たくさん稼ぎたい方は都市部で生活をするとよいでしょう。
ただしオーストリアは、賃金だけでなく社会保険料も高いです。
そのため初任給をもらうときに、「予想よりも金額が少ない!」と驚くかもしれません。
雇用主とのトラブルを防ぐためにも、契約前にしっかりと天引き前の給与について確認しておくようにしましょう。
参照:Austria: Social partners agree on €1,500 monthly minimum wage for all sectors | Eurofound
時給10ユーロ(約1,180円)で働いた場合の収入例
時給10ユーロ(約1,180円)の職場で1日8時間×週に5日働いた場合、1ヶ月(4週間)あたりの総支給額は1,600ユーロ(約18.8万円)となります。
ドイツ語が堪能であったり、特別なスキルを持っていたりする場合は、上記よりも給与の高い職場で働けるでしょう。
またオーストリアにはチップ文化があり、レストランやホテルで働く方であればチップをもらう機会が多々あります。
レストランのチップは会計の10%が程度が目安なので、チップだけでもお小遣い程度は稼げますよ!
オーストリアの求人例
職種 | 給料 |
---|---|
イベントスタッフ | 時給12ユーロ(約1,400円) |
ホテルのハウスキーピング | 月給1540ユーロ(約18万円) |
レストランのキッチンヘルプ | 月給1540ユーロ(約18万円) |
オーストリアでワーホリメーカーに人気の職種といえば、レストランやホテルのスタッフ、ホテルの受付、清掃員などが挙げられます。
長期ではなく単発の仕事では、イベントのお手伝いをする裏方スタッフが募集されていることもあります。
またウィーンやグラーツなどの都市部には日本食レストランがあり、ドイツ語が苦手でも働ける職場が多いのが特徴です。
ドイツ語が不安な方は、渡航直後の仕事として日本食レストランを選ぶのもよさそうですね!
上記のようにオーストリアには外国人でも働ける仕事がたくさんあり、また資格を取得することでツアーガイドなどの特殊な仕事に就ける可能性が上がります。
資格の必要な仕事に挑戦したい方は、現地の規則に従い資格試験や講習を受けるようにしてください。
オーストリアの物価
オーストリアの物価は、家賃と外食費が高めで、それ以外は比較的低めだと考えてよいでしょう。
シャンプーや洗顔、コスメなどの日用品は日本よりも安い商品が多く、日々の出費があまり負担にならないのが嬉しいポイントです。
オーストリアで生活費を抑えるなら、シェアハウスで友人と食事を共有したり、電車を使わず徒歩で通勤したりなどの小さな積み重ねが重要となってきます。
普段は節約生活を意識しつつ、たまに旅行や外食で気晴らしすることでストレス発散にも繋がるでしょう。
オーストリアの物価目安
項目 | 費用 |
---|---|
ペットボトルの水(1.5L) | 0.59ユーロ(約69円) |
マクドナルドのセット | 7.95ユーロ(約932円) |
※2020年5月時点
参考:NUMBEO
地域別の物価目安
項目 | ウィーン | グラーツ | ザルツブルク |
---|---|---|---|
ワンルームのアパート ※市内中心部 |
873.14ユーロ(約10.2万円) | 589.26ユーロ(約6.9万円) | 754.44ユーロ(約8.9万円) |
安めのレストランでの食事 | 10ユーロ(約1,172円) | 10ユーロ(約1,172円) | 11.50ユーロ(約1,349円) |
※2020年5月時点
参考:NUMBEO
オーストリアの物価は、首都ウィーンが全体的に高く、それ以外の地域では大きな差は見られません。
音楽のコンサートやお洒落なカフェなど、誘惑の多いウィーンで生活をする場合はついお金を使いすぎてしまう可能性があります。
できるだけ出費を抑えたいのであれば、グラーツやザルツブルクなど別の都市で生活をするのもよいでしょう。
グラーツはオーストリア第2の都市で、交通機関が発達していて生活しやすいのが魅力の街。
ザルツブルクはグラーツほど物価は低くありませんが、観光都市でありながらウィーンよりも安い費用で生活できます。